目次
今回は」私がよく処方している、皆さんが頻繁に使っている「ワセリン」の話をしてみたいと思います。
【ワセリンの歴史と効果】〜100年以上愛されるスキンケアの原点〜
1. ワセリンのちょっと面白い歴史
19世紀のアメリカ、石油の掘削現場で働く作業員たちが、機械にこびりついた「黒くてベタベタした物質」を傷口に塗ると、なぜか治りが早いと気づきました。
それを聞きつけた若き化学者・ロバート・チーズブロー氏は「これは何だ!?」と興味を持ち、研究を始めたのです。
彼はその物質から不純物を取り除き、**純粋な保湿剤「Vaseline」(ワセリン)**として製品化しました。
でも、彼はここで止まることはありませんでした。
なんと彼、自らワセリンの効果を証明するために──
自分の腕に火傷を負い、その上にワセリンを塗り、治る様子を人々に見せたのです!
さらに驚くべきことに…
**「安全性を証明するために、毎日スプーン1杯のワセリンを食べていた」**という逸話まであります。
しかも彼はその後、なんと96歳まで長生きしたのです!
もちろん「ワセリンを食べれば長生きする」というわけではありませんが、
「自分の発明に絶対の自信を持ち、身をもって証明した」その精神は、まさに発明家の鏡ですね。
豆知識!! なぜ世界では「バセリン」なのに、日本では「ワセリン」?
英語では “Vaseline(ヴァセリン/バセリン)” と発音されますが、なぜか日本では「ワセリン」。
その理由には明治時代の日本語事情が関係しています。
当時は「V」の発音がなじみがなく、多くの外来語が「ワ行」で表記されていました。
さらに、ドイツ語の「Wasch(ワッシュ=洗う)」などの影響もあり、「ワセリン」という名前で広まったといわれています。
同じ用例では、ウイルス(virus)がありますね。
海外では 「ヴァイラス」と発音するの一般的ですが、日本ではウイルスと発音していますね。
2. ワセリンの効能・効果
ワセリンは非常にシンプルな成分ながら、皮膚のバリア機能を高めて、水分の蒸発を防ぐ効果があります。
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乾燥肌の保湿ケア
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唇の荒れ防止(リップケア)
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赤ちゃんのおむつかぶれ対策
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アトピーや湿疹のサポート
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花粉や風から肌を守る“保護膜”としても活躍
市販されている**「白色ワセリン」**は、防腐剤や香料などが無添加で、敏感肌の方や赤ちゃんにも安心して使えるのが魅力です。
3. ワセリンの純度
ワセリンは製造過程で純度を高めていくことでより副作用や刺激感が減っていくと言われています。
当然、純度が高いほど、値段も上がっていきますね。
当院でよく処方されている「プロペト」は日本国内で純度が2番目に高いと言われています。
1番は?「サンホワイト」という製品です。
こんな感じで薬局やドラッグストアで売っています。
プロペトでも刺激感を感じるなら一度トライしてみるのも良いと思います。